「ストロベリームーン」の話題を聞いて、和來と凍李君のやり取り。

TL上で書いた物なので、とても短いお話です。


夜鳴き屋の屋台を引きながら、凍李と共に歩く夜道、その足元を淡く照らす月の光を見ながら、不意に思い出した事を告げる。

 

「何でも今日の月ゃぁ、ストロベリームーンとか言うらしい。」

「へぇ⋯。何か特別なの?」と問う凍李の顔を見て

「さぁな。だが、この月ゃぁ何でも『恋を叶える月』っぇんだそうだ。一緒にみた相手たぁ永遠に共にいられるんだと。」と少し照れ臭そうに言えば、

「何だそれ。和來はそんなこと信じてるのか?」と笑う。

と、途端に居心地が悪くなり「まぁ何だ⋯ちょっとした雑学ってぇやつだよ。」と苦笑すれば、

「確かに今日の月は綺麗だが⋯、バカだなぁ。そんな迷信より、今和來の隣を歩く僕を信じたほうが、良くないか?」と平然と言ってのける彼に拍子抜けし、笑ってしまった。

「ああ、そうだな。馬鹿だった。」と言い、凍李の手をとると「それにしても⋯良い月だ⋯」と呟くと共に並んで家路へと歩いた。